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レジェンドアンドバタフライの原作とあらすじは?信長と濃姫の絆の物語を紹介

レジェンドアンドバタフライの原作
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映画「THE LEGEND&BUTTERFLY」は東映70周年記念作品として総製作費20億円を投じて製作された話題作、公開が楽しみです。

タイトルにある「レジェンドアンドバタフライ」は、レジェンドが織田信長を指し、バタフライは政略結婚で縁組した濃姫(別名:帰蝶)のことを指しています。

レジェンドアンドバタフライの原作を貫く主題は「信長と濃姫の絆の物語」。

「レジェンドアンドバタフライ」の原作では、戦国の世を協力して戦い抜く信長と濃姫の強い絆を主題として、戦い続け魔王と呼ばれる信長と信長の苦悩や弱さを理解しその傍らに立ち続ける濃姫の姿を描いています。

この記事では、原作である「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫)のあらすじを要約してご紹介したいと思います。

映画の結末について一部ネタバレの記述がありますので、ご注意ください。

 

レジェンドアンドバタフライの原作とあらすじ

映画「THE LEGEND&BUTTERFLY」はオリジナルの脚本に基づいて製作されています。

最近この映画脚本がノベライズされ、「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫)が出版されました。

このノベライズをもとに作品の主なモチーフを取り出して簡単にご紹介します。

映画の結末について一部ネタバレの記述がありますので、ご注意ください。

 

原作の概要

尾張の大うつけ織田信長と「マムシの娘」と呼ばれる男勝りの美濃の濃姫は政略結婚で結ばれ、単細胞で自分を大きく見せたがる信長と聡明で気の強い濃姫はいがみ合い相性は良くありません。

しかし桶狭間の戦いを始めとして、戦国の世に天下統一に向かって駆け上がるうちに二人は強い絆で結ばれていきます。

そこには天下統一のため修羅の魔道に踏み入り魔王と呼ばれる信長と、ひとりの人間としての信長の苦悩と弱さを理解し一心同体で彼のそばに立ち続ける濃姫の姿がありました。

 

信長と濃姫の絆

信長と濃姫の絆は、この作品全体を貫く主題になります。

「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫)の内容を要約して紹介します。

この作品は人間的な弱さと苦悩する新しい信長像を描き、濃姫の夢を叶えるため闇落ちした信長を理解しその傍らに立ち続ける濃姫の姿も描きます。

  • 若き信長はうつけで、自分を大きく見せようと偉ぶる器量の小さい男として描かれています。
  • 従来の信長像はうつけである反面、行動力と機略に勝り超人的な活躍をする偉人ですが、この作品では人間的な弱さがあり苦悩する等身大の新しい信長像が描かれています。
  • 一方で聡明で気が強い濃姫は、信長にとって表に出ない参謀役となり彼を支えます。
  • 二人は桶狭間の戦いを協力して切り抜け、濃姫の父 斎藤道三の死をきっかけに同じ境遇にある同志と呼ぶべき強い絆が生まれ、一心同体になって戦国の世を戦います。
  • 亡き父 道三の夢は京へ上り天下を統一すること、これを濃姫が受け継ぎ、夫 信長に託しました。
  • 信長はその夢を実現すべく、多くの血を流し敵を倒し続け、修羅の魔道に踏み入り戻ることも抜けることもできず闇に落ち、冷酷な魔王と化します。
  • 闇落ちし魔王と化した信長でも「何のために多くの血を流し敵を倒すのか」という人としての苦悩は消えず、心の闇は常に彼をむしばみます。
  • 二人は互いに思いやりながらも気持ちがすれ違い、濃姫は一時期信長のもとを離れますが、晩年は再び安土の信長のもとに戻り彼の傍らに立ち続けます。
  • 別離の期間も信長の心中には深く鮮やかに、他が代わることができない濃姫への思いが存在し、消えることはありません。
  • 同じく濃姫の心中にも、自分のために修羅の魔道に踏み込ませた信長への思慕が強く生き続けます。

   (出典:「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫))

 

信長と光秀の関係

光秀は濃姫のいとこになり、斎藤道三とも近しい関係です。

修羅の魔道に生きる信長を光秀は崇拝していましたが、戦いに疲れ魔王でなくなった信長を見限り、自らが魔王となり信長に取って代わることを決意します。

それが本能寺の変ですが、謀反の動機と光秀の心象がよくわかるのでノベライズから引用します。

あの男(信長)には失望させられた。
「それがしが惚れぬいた狂気の殿は、もうござらぬ」
(略)
すでに見切っている。どれだけ焚き付けようと、あの男は二度と立ち上がることはない。身を焦がすほどに憧れ、求め、魅かれた魔王は、あの男の心のなかでとっくの昔に死んだのだ。
(略)
「あの男は、もはや魔王にあらず。ただの人なり・・・・・。ただの人には世を統べられぬ」
(略)
軍勢に向かって采配を振り下ろす。それを合図に、兵たちが喊声とともに動き出す。
「殿、あとはお任せを」
闇のなかで光秀は、塀のむこうで眠っているであろうかつての主に別れを告げた。

 (出典:「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫))

光秀は斎藤道三の近親者であり、彼もまた道三の夢を引き継ごうとしたのかもしれませんが、魔王となることを選んだため闇に落ちます。

 

次の「本能寺の変ーエピローグ」には、映画の結末の一部ネタバレがあります。映画の結末を知りたくない方は、ここを読まずに先に進んでください。

 

本能寺の変ーエピローグ

信長と濃姫の絆はどういう結末を迎えるのか、信長は本能寺の変で倒れますが、物語の終盤をノベライズの内容を要約してご紹介したいと思います。

  • 信長は四国遠征のため安土から上洛し本能寺に宿泊しますが、その直前に信長が病床の濃姫を訪ね、夫婦の夢を語ります。
    二人の夢は、「南蛮船に乗って異国に行き、名もなき庶民として生きること」。
  • 濃姫の体は病がむしばみ、もう長くは生きられません。
  • 信長は「この戦がうまく片付けば、わしの戦は終わりにする」と伝え、
    濃姫も苦しい息のなか「必ず帰ってきて」と応え、信長が帰ってくるまでは生きていなければと強く願います。

   (出典:「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫))

場面は切り替わり、明智勢が取り囲み炎が包む本能寺と安土城の一室を同時刻で描いていきます。

  • 「愛する濃姫のもとに生きて帰る」、この思いだけで必死に本能寺を戦い抜く信長。
    最後は力尽きた信長が濃姫の優しい笑顔を思い浮かべ、
    「ずっと・・・好いておった」とつぶやいて自刃し、炎が包みます。
  • 同時刻、信長が帰るまではと懸命に生きようとする濃姫。
    命が尽きようとするそのとき、朦朧とする意識のなか信長の帰還を感じながら笑顔で息絶えます。

   (出典:「THE LEGEND&BUTTERFLY」(矢野隆 角川文庫))

信長が謀反に倒れ、濃姫が病のため息絶えるという悲劇的なエピローグですが、私はこの二人の魂魄が映画でどう描かれるか楽しみにしています。

信長はその死をもって修羅の闇から解放され、濃姫もその死により病から解放されました。

ノベライズでこの終章を読んだとき、「胡蝶の夢」という故事が浮かびました。

この故事は、「夢の中で自分は胡蝶(蝶)になりひらひらと飛んでいたところで目が覚めた。これは自分が蝶になった夢をみていたのか、それとも実は夢でみた蝶こそが本来の自分で今の自分は蝶が見ている夢なのか」という意味になります。

「THE LEGEND&BUTTERFLY」は、LEGEND=信長、BUTTERFLY=濃姫(帰蝶)を指していますが、私はこう思いました。

  • 「LEGEND」は、現実世界で信長と濃姫が協力して成し遂げた伝説
  • 「BUTTERFLY」は、胡蝶の夢の如く、この夫婦が語り合った夢

この二人の魂魄が、胡蝶にように夫婦で語り合った夢の世界を飛んでいてほしいと思います。

 

映画レジェンドアンドバタフライのキャストと見どころ

主要キャストである信長、濃姫、光秀と私が予想する映画の見どころをご紹介していきます。

 

映画レジェンドアンドバタフライの主要キャスト

 

織田信長(おだ のぶなが)| 演:木村拓哉

木村拓哉さん演じる晩年の信長は、その風貌、威圧感がまさにイメージする信長像にぴったりと合っています。

魔王となりながら戦い続けることに苦悩する新しい信長をどう演じるのか楽しみです。

 

濃姫(のうひめ)| 演:綾瀬はるか

綾瀬はるかさんは、まっすぐで勝気な濃姫をそのまま演じてくれそうです。

夫 信長を修羅の魔道に踏み入れさせた責任を感じ、愛と強い思慕で信長の傍らに立ち続ける濃姫、期待できます。

 

明智光秀(あけち みつひで)| 演:宮沢氷魚

史実では光秀は信長よりも年上ですが、宮沢氷魚さんは20代後半でかなり若い光秀になります。

魔王 信長への崇拝が失望に変わり、自らが魔王となるべく謀反を起こす。

この映画では信長と光秀は親子ほどの年齢差がある設定ですが、この年齢差が魔王の若き後継者となるべく魔界に足を踏み入れ闇落ちする光秀像に説得力を持たせるかもしれません。

 

映画レジェンドアンドバタフライの見どころ

映画の見どころは、2つあります。

やはり、この映画の主題。

信長と濃姫の愛と絆がどのように生まれ、強くなったのか。二人が語り合った夢は何か。二人の魂の絆はどうなるのか。

そして、戦闘シーンは迫力ありそうです。

  • 桶狭間の戦い(敵将:今川義元)
  • 比叡山の焼き討ち
  • 小谷城の戦い(敵将:浅井長政)
  • 長篠の戦い(敵将:武田勝頼)
  • 本能寺の変

全部が映画で描かれるかは分かりませんが、製作費から考えると迫力ある戦闘シーンが見れそうです。

 

まとめ

映画「THE LEGEND&BUTTERFLY」の主題は、信長と濃姫の絆です。

魔王となりながらも戦い続けることに苦悩する信長。

自分の夢を叶えるため修羅の魔道に踏み入った信長の人として弱さを理解し、その傍らに立ち続ける濃姫。

二人の絆がどのように生まれ、強くなり、そして魂となった二人の絆はどうなっていくのか。

信長と濃姫は夫婦であり、そして一心同体の同志のような関係、強い絆で結ばれています。

原作の行間を映像がどう表現してくれるのか、映画の上映がとても楽しみです。