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尾上右近と尾上松也の関係は?家系図を付けてわかりやすく説明

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歌舞伎役者の尾上右近さん、尾上松也さんは、歌舞伎界出身ながらテレビドラマやバラエティー番組でも常連であり活躍されています。

同じ「尾上」を名乗っていますが、「兄弟かな?親戚かな?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

家系図で確認すると、尾上右近さんと尾上松也さんの関係は血縁関係はなく兄弟でも親戚でもありません。

簡潔に言うと、尾上右近さんと尾上松也さんの関係は、厳しい歌舞伎の世界を生きる「同志」の関係になります。

尾上一門の家系図をもとにお二人の家系をたどり、どういう関係にあるかをご紹介したいと思います。

また、後半で歌舞伎界の屋号や一門の構成を血縁と門弟の関係から簡単に触れたいと思います。

 

尾上右近と尾上松也の関係は?

まず家系図を確認しましょう、下図は尾上一門の家系図です。

この家系図で確認すると尾上右近さんと尾上松也さんは、血縁関係はなく兄弟でも親戚でもありません。(橙色で塗っています)

尾上松也さんは一門の門弟筋にあたり、尾上右近さんの宗家とは血縁関係はありません。

尾上右近と松也

では、お二人はどういう関係にあるのでしょうか?

次の2点から疑問を調べていきます。

  • 2人はそれぞれ、どういう家系にあって歌舞伎役者になったのか?
  • 同じ「尾上」を名乗っているいるけど、血縁でなければどういう関係なのか?

(この家系図は後ほどまた掲示して詳しく説明します)

 

尾上右近の家系

右近さんのプロフィールを簡単にご紹介すると、

  • 屋号 音羽屋
  • 本名 岡村研佑(おかむら けんすけ)
  • 生年月日 1992年5月28日

歌舞伎役者として子役から活動し、2005年に二代目尾上右近を襲名。

父方が歌舞伎・浄瑠璃の古典芸能の家系であり、母方は著名な映画俳優の家系につながります。

以下では、主な血縁者をたどり簡単にプロフィールを見ていきます。

まずは父方の家系を曾祖父から順に見てゆきます。

 

(曾祖父)六代目 尾上菊五郎

大正から昭和20年代にかけて活躍。

尾上菊五郎は歌舞伎界でも重要な名跡です。

時代物・世話物の当たり役が多く、名優と呼ばれました。

舞台の映像も残り、右近さんにも大きな影響を与えています。

 

(祖母)六代目尾上菊五郎の次女 多喜子

江戸浄瑠璃の清元節宗家 六代目清元延寿太夫の妻。

清元節は、三味線音楽・歌舞伎伴奏音楽として成立したものです。

ここで右近さんに歌舞伎とは違った古典芸能の宗家の血縁ができます。

 

(父)七代目 清元延寿太夫

清元節の宗家の跡取りでありますが、歌舞伎の名門一族の血縁者でもあります。

歌舞伎では子役として活躍し、成人後も大河ドラマや時代劇ドラマに俳優として出演し活躍されました。

七代目襲名後は俳優活動は休止し、家元としての活動に重きを置かれています。

歌舞伎名門の血縁者に生まれると歌舞伎は身近な存在であり、本人の志があれば跡取りでなくても子役として活動するのは、自然な流れかもしれません。

右近さんとお父さんの経歴はよく似ています。

 

次に母方の血縁者を見ます。

お一人だけですが、大変に著名な方です。

 

(祖父)鶴田 浩二

ご存じの方も多いと思います。

戦後の昭和に大活躍した映画スター。

任侠映画、戦争映画等多くの映画に出演しました。

端正なルックスの二枚目俳優であり、右近さんの華やかな印象や雰囲気は、この祖父から受け継いでいるようです。

鶴田浩二さんの次女が右近の母になります。

 

尾上松也の家系

次に、松也さんの家系をたどっていきます。

松也さんのプロフィールを簡単に紹介すると、

  • 屋号 音羽屋
  • 本名 井上 龍一(いのうえ りゅういち)
  • 生年月日 1985年1月30日

歌舞伎役者として子役から活躍し、1990年の初舞台から尾上松也を名乗っています。

父方の祖父が舞台俳優であり、歌舞伎一門の血縁者ではありません。

父と叔父が尾上一門の歌舞伎役者の弟子になり、ここで尾上一門に門弟筋として名を連ねることになります。

外部から歌舞伎の世界に入り、精進を重ね実力で重要な名跡を継ぐ役者の姿が浮かび上がります。

 

(祖父)春本 泰男

新派の舞台俳優で映画俳優としても活躍(1920年代~70年代)。

 

(父)六代目 尾上松助

二代目尾上松緑の弟子入りし、子役として活動。

1990年、六代目尾上松助を襲名し活躍。

歌舞伎一門の血縁者でなく門弟として歌舞伎界に入り、精進を重ねて歴史のある名跡を受け継いでいます。

歌舞伎は血筋だけでなく技量が評価される世界であることが、ここからも分かります。

 

(叔父)初代 尾上松也

兄の六代目尾上松助と同じく二代目尾上松緑の弟子入りし、子役として活動。

子役時代の1959年、初代尾上松也を名乗る。

叔父さんが初代の松也になり、この名跡を血縁者の甥が受け継いだことになります。

 

尾上右近と尾上松也の関係を家系図で説明

前半の尾上一門の家系図を再掲します。

尾上右近と松也

家系図というと、普通は戸籍の血縁や養子(法律で成立した親子関係)の関係で書かれていますが、歌舞伎界では少し違います。

 

宗家と門弟筋

江戸時代は武士しか苗字を名乗れなかったので、それ以外の身分では「屋号」を名乗っていました。

尾上右近さんを例にとると、

  • 屋号 音羽屋
  • 芸名 尾上右近
  • 本名 岡村研佑

となります。

尾上一門の家系図は、屋号音羽屋のもと「尾上」の名跡を名乗る歌舞伎役者の集まりで、そこには宗家の血縁者と門弟筋があります。

現在の尾上一門には、大きく2つの家があります。

  • 宗家  尾上菊五郎家
  • 門弟筋 尾上松緑家

右近さんは宗家の血族に属します。

宗家には他にも、七代目尾上菊五郎、五代目尾上菊之助、女優寺島しのぶ等の方がいらっしゃいます。

家系図の中で、

  • 宗家は、養子を含む血縁関係が引き継がれていきます。
  • 門弟は、師匠と弟子の関係にあります。

歌舞伎の家系図は少し複雑ですが、調べると興味深いです。

こう見ると歌舞伎一門の家系図は、同じ屋号のもとに血縁と技量を認められた者が結びついた関係図になっています。

芸事の世界は血縁だけで成立するはずもなく、外部から技量の高い者を処遇して芸の水準を一定以上に保ってきたことが見て取れます。

 

尾上右近と尾上松也の関係について口コミ

お二人のファンは多く、テレビのバラエティーを通してお二人の関係やエピソードをご存じの方も多くいます。

その中から、いくつかをご紹介します。

右近と松也はてっきり兄弟だと思っていたけど違うんだよね。でも、小さいころから家族ぐるみでお付き合いがある関係なんだって。だから、バラエティーの共演も多いし、おもしろいエピソードで番組も盛り上がるんだね。
二人とも昔風な歌舞伎顔じゃなくて、舞台俳優や映画俳優の血を引いているから現代的なイケメン。ドラマやミュージカルに出演しても何の違和感もないですね。どんどん活躍の場を広げてほしいです。
松也は二十歳の時お父さんを亡くし、自主公演で大きな借金を背負ったりと、後ろ盾のないところで自力で道を開いてきた。右近も名門に生まれて、歌舞伎役者と浄瑠璃方の両立を目指している。二人ともすごいプレッシャーの中で精進している。立派だと思う。
二人が兄弟でも親戚でもないって分かったときは驚きました。宗家と門弟、血筋も違います。でも、同じ一門で子役から舞台に立って、お互いに厳しい世界で生きています。二人は同じ道を行く同志ではないでしょうか?だから、雰囲気や印象が似てくるんだと思います。

 

まとめ

尾上右近と松也の関係

尾上右近と尾上松也は、同じ尾上一門に属しますが血縁関係はなく親戚ではありません。

右近は宗家の血筋ですが、松也は門弟筋です。

歌舞伎の宗家は直系男子で受け継がれていきますが、跡取りの男子がいない場合は血縁者が養子に入るか、技量の高い門弟が養子に入ることもあります。

一般家庭から門弟として歌舞伎界に入り、技量を認められ実力でその一門でも重要な名跡を継ぐことは珍しくありません。

松也さんは父の代から歌舞伎界に入り、技量を認められて尾上一門でも重要な名跡を継いでゆくと思われます。

お二人とも子役として舞台に立ち、同じ一門として厳しい修行を重ねてきたため、立ち振る舞いや雰囲気に同じものを感じるのかもしれません。

厳しい芸事の世界に生きる、強く結びついた同志の姿が浮かび上がります。

それが「二人は兄弟かな?親戚かな?」と思わせる一因かもしれませんね。

お二人にはこれからも歌舞伎にとどまらず、ミュージカルやドラマに活躍している姿を見せてほしいなと思います。

最後に関連記事を2つご紹介させてください。

右近さんの歌の上手さには定評があり、「なぜ歌が上手いか?」を探ってみました。

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お読みいただき、ありがとうございました。